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コラム
唾液腺粘液瘤(唾液腺嚢胞) 2013.06.21.

狂犬病・フィラリア予防の季節も一段落、久々の更新です。

今回は唾液腺粘液瘤(唾液腺嚢胞)という病気がテーマです。

唾液は唾液腺(頬骨腺、耳下腺、下顎線、舌下腺)で作られ、導管という管を通り口の中に排出されます。

唾液腺や導管が損傷(外傷や異物、唾石など)を受けると唾液が漏れ出て様々な障害を引き起こします。無症状の事もありますが、場所によっては痛み、出血、摂食障害、嚥下(飲込み)や呼吸障害など多岐にわたります。

治療は液体の吸引などでの内科治療もありますが、効果は一時的で再発する可能性が高い方法になります。再発を繰り返す場合や症状の程度によっては外科治療を選択する場合もあります。当院の症例です。

昨日から頚部の腫れとのことで来院。柔らかい波動感のある腫瘤が確認でき、唾液と思われる液体貯留が認められました。頚部唾液腺粘液瘤と考え、液体の抜去と内科療法を行いましたが4日程度で再発が認められたため、外科治療を行いました。



手術前/頚部に液体の貯まった袋が認められます。



手前に見えるのが下顎線とそれに続く舌下腺が認められます。



左右どちらが原因であるかは不明であったため、両側の切除(下顎線、舌下腺)を行いました。



舌下腺付近の唾液の通り道である導管に、唾石が認められました。これが原因であったと考えられます。

原因の除去が出来ていれば、手術後は再発も無く液体が貯留する事はありません。今回の方法では、他の唾液腺は残っているため、唾液の産生には悪影響を及ぼさないと思われます。

あご周りや口の中に出来る事が多く、無症状の事もあるため一度ご確認ください。